「エンジニアである以上、自分にしかできないノウハウを持っておきたい」
そう思うエンジニアは多い。もしかしたら8割以上のエンジニアはそう思っているのではなかろうか。大きな間違いであると主張したい。
技術力を売り物にしているエンジニアであるため、自分でしか出来ないノウハウを持っていることは、大きな武器である。しかしIT業界では、かならずしもそれは的を射ていない。IT産業というものの中では、その技術の発展は非常に早くしかも情報量は膨大である。そしてその伝達は早い。極端にいえば、昨日開発されたものは、今日には普及され、明日には古い技術となっている。
そういった世界の中で、自分のアイディアを頑なに秘密にしておくことに何のメリットがあるのだろうか。確かに、その仕事は自分にしか回ってこない。逆にいうと、自分は延々とその仕事をやっていかないといけない。短期的に見ると、仕事は安定するであろう。しかし、それは、同じことが更に出来る人の登場か、その技術の衰退によって終わる。その時自分は何と呼ばれるか。「ロートル技術者」である。そうなってから後悔しても、もう自分はレガシー技術の第一人者として、そこから動くことはできない。今持っているノウハウにしがみつくことは、むしろ技術の発展の妨げとなっていると自覚すべきである。
ITエンジニアは、歩みを止めた瞬間から、ロートル技術者へのコンベアに乗ってしまう。たとえ自分が最高の開発をしたとしても、それは瞬く間に世間に知れ渡ることとなり、平準化され、次の技術が台頭してくる。ならば、自分のもっているノウハウを、いかにして早期に平準化して、一般の作業者レベルにまで落としみそれを渡してしまい、自分は次の技術に飛びついていくか、そこが「最新の技術者」と「ロートル技術者」の分かれ目である。真のITエンジニアは、常に片手をあけておかなければならない。
ところで、ITエンジニアにおいて自分しかできないノウハウの追求とはどういった働き方を意味するのだろうか?プロフェッショナル、フリーランスではないだろうか?自分にしかできないということは、それくらいの専門性を意味するのだ。それならば、フリーランスエンジニア成功への道で、フリーエンジニアを目指すことが自分しかできない市場価値を身に付けることと同義になるだろう。